
庭付きの戸建てを売却するとき、「庭木はすべて伐採したほうがよいのか」「残したままでも売れるのか」と迷う方は少なくありません。きれいに整えられた庭は住まいの魅力になりますが、枝葉が伸び放題の状態では、購入希望者に手入れの負担や処分費用を連想させることがあります。不動産売却前の庭木は、すべて残すか撤去するかの二択ではありません。庭の状態や買主の需要を踏まえ、残す木、整える木、撤去を検討する木に分けることが大切です。
目次
売却前に庭木をすべて処分する必要はない
庭に植えられた樹木は、一般に土地の定着物として扱われ、特別な取り決めがなければ土地とともに買主へ引き継がれます。売却前に庭木を必ず処分しなければならないという一律のルールはありません。
手入れされたシンボルツリーや目隠しとして機能する植栽は、落ち着いた住環境を伝える要素になります。一方、大きくなりすぎた木や枯れた木、日当たりを遮る植栽は、購入後の管理負担と受け取られる可能性があります。
庭木の本数ではなく、物件の魅力と管理負担のどちらにつながっているかを基準に判断しましょう。
残す木・整える木・撤去する木に分ける
まず、健康で建物や庭の景観になじんでいる木は、残す候補になります。玄関付近のシンボルツリーや、隣家からの視線をやわらげる植栽などが代表例です。
枝が伸びて窓を覆っている木や、庭への通路を狭くしている木は、伐採する前に剪定を検討します。枝葉を切り戻すだけでも、日当たりや風通しが改善し、建物の外観や庭の広さが伝わりやすくなります。
枯れ木、病害虫が見られる木、強風で倒れる危険がある木、根が塀や配管へ影響している可能性がある木は、専門業者へ相談したうえで撤去を検討しましょう。
内覧前は庭の広さと動線を見せる
内覧時に重要なのは、豪華な庭をつくることではなく、購入希望者が庭の使い方を想像できる状態にすることです。雑草や落ち葉を取り除き、使っていない植木鉢、園芸用品、壊れた物置などを整理します。
玄関から建物までの通路や、駐車場から庭への動線も確保しましょう。枝葉で外壁や窓が隠れている場合は、建物全体が見えるように整えます。庭の管理状態は、建物の維持管理状況を想像する材料にもなります。
高額な造園工事より、除草、清掃、剪定、不要品の撤去を優先するほうが、少ない負担で印象を整えやすくなります。
庭木を広告写真の魅力に変える
売却広告では、建物だけでなく庭の広さや日当たりが分かる写真を用意します。枝葉が建物を覆わない角度から撮影し、玄関や窓、駐車スペースとの位置関係を見せると、暮らしをイメージしてもらいやすくなります。
花が咲く木や紅葉する木がある場合は、売却時期に見頃を迎えていなくても、過去の写真があれば不動産会社へ共有してみましょう。ただし、現在の状態と誤認されないよう、撮影時期を明示する配慮が必要です。
越境や安全上の問題を確認する
隣地や道路へ枝が伸びていないか、根が境界付近の塀を押していないかも確認します。越境枝は近隣トラブルの原因になりやすいため、売却前に整理しておくことが望ましいでしょう。
ただし、境界や所有関係が曖昧な状態で枝を切ったり、隣地へ立ち入って作業したりするのは避けるべきです。越境した枝を自分で切除できる場合については民法上の要件があるため、まず不動産会社や専門家へ相談してください。
高木の伐採やチェーンソーを使う作業も、建物や通行人へ被害を与える危険があります。作業に慣れていない場合は、造園業者などへ依頼するほうが安全です。
伐採や抜根は査定後に判断する
大きな庭木の伐採や抜根には費用がかかり、重機が入れない場所では作業費が高くなることもあります。費用をかけて庭木を撤去しても、その全額を売却価格へ上乗せできるとは限りません。
そのため、査定前に一律で処分するのではなく、現状のまま不動産会社に確認してもらいましょう。庭木を残した場合と処分した場合で、売れやすさや想定価格がどの程度変わるのかを比較してから決めることが大切です。
庭木を残して引き渡す場合は、対象となる木や庭石、植木鉢、物置などの扱いを明確にします。契約後に売主が撤去する場合は、作業時期と費用負担を売買契約書などに記載し、口頭だけの約束にしないことがトラブル防止につながります。
不動産売却前の庭木対策では、思い入れだけで残すことも、売れやすさを期待してすべて伐採することも避けたいところです。まずは除草や清掃、必要最低限の剪定を行い、庭の広さと建物の外観が分かる状態を整えましょう。費用のかかる伐採や抜根は、査定結果と専門家の意見を踏まえて判断することが重要です。
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